出題基準の大項目「患者の安全・安楽を守る技術」での中項目の1つに「療養環境」があり、その小項目の1つとして「ベッド」があります。このベッドに関するJIS規格が、今年3月20日に改正されました。これには近年、特に介護用ベッドで手すり(柵)の隙間に使用者の首が挟まれて死亡するなどの事故が発生している、という背景があります。それを踏まえて、JIS規格の主務官庁である経済産業省が、その改正を行ったのです。
今回のJIS規格の改正のポイントは次のとおりです。
(1)病院用ベッド、在宅用電動介護用ベッドそれぞれについて、サイドレールとサイドレール、ベッド用手すり(グリップ)とヘッドボードなどの隙間について、「○○p以内にする」といった静的な規格ではなく、そこに実際に頸部などが入り込まない規格とする。具体的には、その隙間に対し、直径6pの硬い円柱形の試験用ジグ(jig、ここでは道具の意味)を50ニュートンの力で押し込もうとしても、そこに入り込まないことを確認する、というものである。例えば、サイドレールとサイドレールの間がラッパ状に開いているような場合、頸部がだんだんと入っていく恐れもあり、新JISでは「不適合」とされる。(下図参照)

 | (2)上記の観点から、ベッド用手すり(グリップ)についても、性能などを規定した。(左図) |
(3)病院用ベッドのJIS規格については、従前は手動式ギャッチベッドだけが対象だったが、電動ベッドも対象に加えた。 すでに、ベッドの大手メーカーからは、その新JIS規格に基づいて、サイドレールとサイドレールの隙間のサイズを変えるなどの改良をしたベッドの販売が始まっています。しかし、医療の現場に新JIS規格のベッドが普及するには時間がかかるので、当面、看護職においては、ベッドの周辺の隙間を意識しながら日常の業務に取り組むことが望まれます。 なお、JIS規格の改正の詳細については、日本工業標準調査会のホームページのデータベースで、「病院用ベッド」(JIS番号:T9205)、「在宅用電動介護用ベッド」(JIS番号:T9254)をキーワードとして検索し、その内容を閲覧することができます。(印刷は不可) |