イムス横浜東戸塚総合リハビリテーション病院（神奈川県）回復期病院
自分の性格や適性を見極め、
さまざまな角度から病院を絞り込みましょう
☟▼アドバイス▼
学生時代は学業に専念することが最優先ですが、ストレス発散の場を知っておくことも必要です。睡眠や食事をしっかり取り、国試合格に向けて残りの学生生活を過ごしてください。
働きたい病院の勤務地をはじめ自分が大切にしたいポイントを明確にする
病院選びの基準は、就職先は自宅から通える距離か、自分の住んでいる都道府県以外で働きたいかによって変わってきます。社会人になったら一人暮らしをしたい、睡眠時間を確保するために近くの病院がいい、都心部の病院で働きたいなど、自分の希望する勤務地を決めることが病院選択の第一歩となります。
そして自分が看護師として何をしたいかを確認します。急性期、慢性期、回復期、訪問看護など、どのような領域で看護を実践したいかを考え、ピックアップしましょう。まだ自分が何をしたいかわからない人は、なるべく多くの病院を調べ、看護を行ううえで大切にしたいポイントを明確にすることが必要です。
もうひとつ重要なことは、自分自身の性格や適性を見極めることです。自分はどんな性格かを知るためには、家族や学校の先生からアドバイスを受けることが大事です。てきぱきと行動するタイプか、ゆったりしているタイプかなど分析してもらい、たとえ嫌なことでも素直に受け入れ、客観的に見つめ直すことが大切です。自分のことは自分が一番知っているつもりでも、他者から助言を受けることで、どんな病院が向いているか検討しましょう。
急性期看護と慢性期看護の特徴を知り、自分の働きたい領域を考える
自分について知ることができたら、働きたい領域とその理由を考えましょう。
急性期看護で求められるのは、さまざまな変化が起こるなかで、リズムよく対応できる能力やハードな勤務をこなせる忍耐力などが挙げられます。てきぱきとした性格とコミュニケーション能力、柔軟性が求められます。
一方、慢性期看護は患者さんを落ち着いた状況で回復の過程を見られることが一番の特徴です。日々実施するケアも決まっているため、長期間にわたり同じ業務を地道に続けられること、きちんと患者さんと向き合うことが必要です。慢性期看護は患者さんを長く深くみられるため、スローペースでゆったりとした性格の人向きかもしれません。
そして多職種が協働し、退院を見すえて患者さんやご家族の目指すゴール地点に向かってケアを提供していくことが看護のやりがいであり魅力です。
いずれにしても急性期、回復期、慢性期など、どのような領域であっても患者さんを第一に考える思いがあれば一人前の看護師として成長できます。
インターンシップに参加することでパンフレットではわからない部分を確認
さまざまな病院を比較し、興味のある病院があれば絞り込み、見学会やインターンシップに参加することをお勧めします。
病院選びは、自分の目で見ることが大事なポイントです。実習病院の場合は病棟の雰囲気やスタッフの働き方を確認でき、プラス面もマイナス面も見えてきます。その病院で理想の憧れる看護師と出会えれば決め手になるでしょう。実習での経験は病院選びの参考にしてください。
インターンシップでは、案内してくれる事務職の対応や、どんなスタッフが働いているかを確認することで、「ここで働きたい」と実感できるか判断してください。病院入った瞬間に「この病院だ」とか、病棟を見学して「ここで働きたい」と思えることもあると思います。そうした自分の直感を信じることも必要かもしれません。
ポイントとしては、自分がいい病院と思える雰囲気、笑顔がいい、コミュニケーションが取れるかなどが判断材料になると思います。そして患者さんへの対応、職員同士の声かけや会話など、パンフレットでは伝わってこない様子を、自分自身で確かめてください。
教育体制や福利厚生面も働くうえで大切なことのため、疑問に思ったことは質問しましょう。教育面では新人をひとりにさせない環境があるか、特定の人からの指導か、病棟全体で育てる環境かなどを聞きましょう。新人のころは技術面だけでなく精神面も相談できる環境があることが不可欠です。
福利厚生面では有給休暇などの希望は通るか、休みの日に研修があるかなど、オンとオフの切り替えができる環境であるかも、長く勤務するためには必要なことです。見学時に勤務明けの人がずっと働いているかなどもチェックしておきましょう。また寮については周辺の環境も重要です。一人暮らしが初めての場合は、毎日勤務と並行して家事を行うことは、かなりの負担になります。夜勤もあるため、通勤しやすい立地を選ぶとよいでしょう。そのほか可能であれば、1年目の離職率なども確認しておくと安心です。
新卒であっても急性期にこだわらず自分の性格に合った病院選びを
1年目は急性期で働くことに、こだわらなくてもいいと思います。自分の性格と向き合い慢性期で働きたいと思えば、慢性期から始めても構わないと考えています。技術面の不安を抱く人もいますが、ひと通りの技術は学べますし、次のステップで急性期を体験する道もあります。まず自分の気持ちを重視してください。他者から言われてやることは、なかなか継続できないので自分を信じることも必要だと思います。学生の皆さんは、まだまだ若いので可能性は大きく、夢は無限大に広がっているので、やりたいことは一度トライしてみてください。
当院はグループ病院のため、教育体制もラダーにそった研修を設け、勤務時間内で実施しています。技術的な部分をしっかり習得できる土壌があるとともに、ひとりの患者さんを深く学べるという特徴があります。
回復期と慢性期しか経験のない人には患者さんが急性期からどのような過程を経て入院してくるかが見えにくいため、当院では来年度から系列病院で急性期の過程を体験するプログラムを構築する予定です。患者さんのつらい時期を知らない人も多く、レベルもＡＤＬも変化しているため、実際に急性期の患者さんの状態を知ることで、より看護が深まることを目標としています。
学業をおろそかにせず国家試験合格を目指し生活リズムを整えることが大事
入職するまでの準備は特に必要ないと思います。入職前は多くの不安を抱くと思いますが、技術面は入職後にしっかり学べるので安心してください。まず大事にしてほしいことは学業をおろそかにせず、国家試験に合格することを第一に考えてください。
そしてアルバイトや部活動を行っても、主となるのは学業であることを忘れずに生活リズムを整えてください。ひとり暮らしをする方は家事など身の周りのことができるよう、家の手伝いを行っておくといいでしょう。
社会人になったら、挨拶と言葉遣いが重要となります。患者さんはもちろん職員間でも笑顔で挨拶することが看護師にとって大切なことだと考えます。笑顔は人とかかわるなかで、安心感や信頼感を与える基本的な表情です。ふだんから笑顔を意識して生活してください。
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