★各分野の現役看護部長・教育担当看護師からアドバイス!自分に合った病院選びとは?横浜市立脳卒中・神経脊椎センター(神奈川県)【ケアミックス病院】

お仕事研究

横浜市立脳卒中・神経脊椎センター(神奈川県)ケアミックス病院 

入職後の大事な3年間を見すえて
自分の目指す看護師像に近づける病院選びを

副病院長兼看護部長 吉楽 初美

☟▼アドバイス▼

看護学生の皆さんは実習や国家試験など、さまざまな壁を乗り越えなければなりません。今は大変でも、看護師となった将来の自分をイメージして、乗り切ってください。

大事にしていることは人それぞれでも理念や教育体制は病院選びの大事なポイントです

 病院選びの基準は一人ひとり異なりますが、看護師の仕事は病院によって特色があるため、自分が何を大事にしているかを考えてみましょう。

 入職してからの3年間は大事な時期です。長い看護職人生において最初に入職した病院によって、その後の道が変わる場合もあります。教育体制が確立していることは、ひとつの指針となるでしょう。また、病院や看護部の理念を確認し、その病院が何を大事にしているか、自分の目指す看護に近づけられるか、その組織の一員になりたいかを考えることも必要です。

 自分の性格や適性に合った病院選びを行うことは大事ですが、自分の性格を客観的に分析することは難しいものです。自分はてきぱきしているから急性期に向いているなどと初めから決めつけずに、自分のペースに合った病院を探すことが大切だと考えます。学生時代の様子を客観的に見ている学校の先生のアドバイスは的確ですし、参考になると思います。最初から選択肢を狭めず、広い視野をもって受け止めましょう。

 3年という期間はひとつの目安となります。3年間仕事を続けることにより、看護師としての基礎を身につけられます。そうしたことからも自分に合った病院に入職することが、看護師としてのキャリアが積み重ねられます。私たち採用する側も、継続できる体制を整えて皆さんをサポートしています。この領域では難しいと思った人が何年後かに成長するケースもあります。学びたい領域がある場合は、チャレンジしてもいいと思います。

病院見学やインターンシップに参加し自分の目で確認することが大切

 ここ数年はコロナ禍もあり、オンラインでの就職活動を余儀なくされましたが、病院見学やインターンシップには可能な限り参加してください。病棟でのスピード感、スタッフや多職種とのコミュニケーション、患者さんへの対応など、自分の目で確認しておきましょう。各病院によって組織風土や方向性が異なりますし、病院の実際の雰囲気を肌で感じることも必要です。

 インターンシップや見学会に参加した際にチェックしてほしいポイントは、3年目までの教育体制です。新人教育に関しては紹介されていますが、2年目以降の教育に関しては詳しく紹介されていないため、集合研修だけでなく現場でのOJTなどがどのように実施されているか、ホームページではわからない具体的な内容を質問しておくと安心です。

 福利厚生についても気になる部分だと思います。給与体系や休日休暇など、聞きにくい部分ですが、気になることがあれば確認しておきましょう。現在は仕事だけでなく、ワークライフバランスも重要視される時代です。プライベートの充実が仕事の充実につながると思います。

 インターンシップなどに参加することで、その病院の看護理念を理解できます。自分の目標とする看護とどの部分が合っているか、自分の看護観をきちんと説明できるかがポイントとなります。面接などでは自分の考えを自分の言葉でわかりやすく相手に伝えられるかが大切です。例えば「その人らしさ」を教科書に書いてあることを答えるのではなく、自分自身で考えたことを、しっかり伝えられ、看護に対する思いが伝わってくることが重要になります。

急性期、回復期、慢性期にかかわらず培った知識・技術は次の現場で生かせる

 回復期では、フィジカルアセスメント力が弱いという印象がありますが、リハビリテーション看護が身につけられます。これは、可能な限りADLの自立とQOLの向上を図り、患者さんが自分らしく生きることにかかわる看護です。ADL評価を学ぶことで退院後の生活を見すえたケアにつながります。そこでの学びは、急性期で生かすことも可能です。

 1年目は急性期で学ぶ方がいいと言われることもありますが、私自身は必ずしも急性期である必要はないと思っています。

 患者さんの急変は回復期でも起こる場合もありますし、どんな現場でも異常の早期発見には、患者さんの変化に気づけることが求められます。

 急性期であっても回復期、慢性期であっても、そこで培った知識・技術は次の現場で生かせるため、経験を積み重ねていくことが必要です。それが、よりよい看護の提供につながります。

 当院は超急性期から回復期までのケアミックス型病院のため、幅広い看護を経験できることが特徴です。回復期に配属されても基本的な技術は身につけられます。超急性期から回復期まで、幅広い看護を経験できることが特徴です。また脳卒中看護の専門病院であるため、超急性期から回復期まで一貫した看護を提供し地域とつながる看護を目指し、患者さんの退院支援に取り組んでいます。私たちはその人らしくあるために、何ができるかを常に模索しています。

 今年度から看護理念を「その人らしさを大切にした看護を実践」という文言を盛り込みました。これは何年も前からスタッフから出てくるワードで、患者さんの生活の視点に立ち、自立を支援していくことにつながっています。私たちが大切にしていることであり、倫理観を持って「その人らしさ」を尊重することを大切に、研修にも取り入れています。

 教育体制は1年目に現場での基本的な知識・技術を習得し、2年目には院内留学で他部署を体験することで、学べていない技術も習得可能です。また、各病棟では業務応援を行う支援体制を取っているため、自部署で学ぶことができない技術も経験することもできます。

ストレス解消法を見つけると同時に体調をコントロールできる基礎体力を養う

 看護師として働き始めると、不規則な勤務体制や仕事に対する責任感など、ストレスを感じることが多くなります。今のうちから自分自身のストレス解消法や気分転換の方法を見つけておくといいでしょう。

 そして基礎体力を養ってください。食事や睡眠など日常的な心がけで体調をコントロールし対応できることが、看護師としては必要不可欠です。体調管理がしっかり行えることが看護師としてスタートする際にも大事なポイントです。

 看護学生の皆さんは、実習や国家試験など、さまざまな壁を乗り越えなければなりません。まず国家試験合格を目指してください。明るい未来を想像し、看護師となった自分をイメージして、残りの学生生活を乗り切ってください。

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