私は高度な治療を行うHCU病棟で働いているため、重症の患者さんが多く、そのご家族もショックを受けていることが多くあります。
　以前に緊急入院されて、その翌日に手術を控えた患者さんを担当したときのこと。患者さんは身体的な苦痛が強くて、私はその訴えを傾聴しながら、できる限りの看護を行いました。そして、会話の中で今後の治療の流れについて説明をしました。すると「痛みは少し楽になったよ。もう人生をあきらめようかと考えたけれど、もう一度がんばってみようと思います。ありがとう」と前向きな言葉を言ってくださいました。辛そうだった患者さんが笑顔になってくれたことが心から嬉しくて、私の看護は間違っていなかったと励みにもなりました。
　看護師は医師と違って直接病気を治すことはできませんが、治療の効果を高める看護をしたいと思います。