病院探しをしていると、見慣れない用語に出会うことがあります。ここでは、病院を選ぶにあたって必ず押さえておきたい「給与」や「福利厚生」などの用語について、詳しく解説します。
労働基準法で定められた雇用契約における労働の対価で、入職一年目の給与を「初任給」と言います。主に「基本給」と「各種手当」の合計金額で表されますが、実際には、税金や社会保険料などが天引きされた手取り額が支給されます。看護師の場合、基本給が低くても手当や賞与が多いケースもあり、月の夜勤回数によっても変化します。給与チェックの際は、その内訳をきちんと確認しましょう。
基本的賃金として毎月支払われるもので、年齢(大卒、専門学校卒など)や職種(看護師、助産師など)によって金額が変わってきます。
基本給とは別に支給される賃金のこと。夜勤手当や時間外手当、住宅手当など、病院によって支給される手当はかなり違うので、よく確認を。
ボーナスのことで、夏と冬の年2回支払われます。通常、「○ヶ月」という月数でだけ表されているのは「基本給×○ヶ月分」を意味します。
福利厚生とは、給与とは別に得られる援助・サービスのことです。大きく分けて、法律に基づいて義務として実施する法定福利、病院が任意で実施する法定外福利があります。
文字通り「法律で定められている福利厚生」のことで、社会保険(健康保険、厚生年金保健)、労働保健(雇用保険、労災保険)などを指します。
在宅手当、レクリエーション・娯楽、慶弔見舞、退職金前払い制度、財形貯蓄などが該当します。寮・院内保育施設の完備も法定外福利にあたります。ワーク・ライフ・バランスの実現が叫ばれる昨今、福利厚生の充実に力を入れる病院が増えてきており、長く働き続けられるかの目安になります。
新人教育では、プリセプターシップを取り入れている病院がほとんどですが、クリニカルラダーやキャリア開発システムなどを取り入れる病院や、院内認定看護師などの独自資格を設ける病院も増えてきました。
入職後一定の期間、新人看護師(プリセプティ)に対して3年目以上の先輩看護師(プリセプター)がマンツーマンで指導にあたる制度。OJT(現場教育)として、ほとんどの病院で行われています。
看護師の臨床実践に必要な能力を、入職年度別ではなくナースそれぞれの能力にあわせて段階別に評価していく教育システム。キャリアラダーなどと呼ぶ病院もあります。
入院患者を24時間体制でケアするため、病棟看護師の勤務は交替制になっています。かつては三交替制が主でしたが、現在では二交替制を取り入れる病院が増えてきました。中には、診療科や病棟によって多様な勤務体制をとる病院や、「変則三交替制」「変則二交替制」など、独自の勤務シフトをとっている病院もあります。
1日を日勤、準夜勤、深夜勤と8時間ごとに3つに分けて交替する勤務体制。夜勤回数は準・深夜勤あわせて8回というのが平均ですが、最近では早出、遅出など変則的な勤務時間を組み合わせて設定している病院も多く見られます。
1日を日勤と夜勤の2つに分けて交替する勤務体制。日勤の勤務時間は三交替と変わりませんが、夜勤が12〜16時間となり、途中に休憩をとるとはいえ身体的にきついという指摘もあります。ただその分まとまったお休みが取れるというメリットもあります。患者さんにとっても消灯時と起床時の看護師が同じであるという安心感があります。
「病院理念」とは、患者さんが安心して通院できる医療機関になるために、組織の進む方向を明確にしたものです。理念を通じて院長とスタッフの意識を統一し、進むべき方向性に向かうための、価値観の根幹となる部分です。その考え方に共感できるかどうかを確認するポイントとなります。
医療の現場はチームワークが大切なので、各部署や専門の資格従事者が連携を取らなければなりません。皆が共通の価値観や目標をもって行動するための指針が、「看護部理念」となります。看護部が目指すこと、看護部のあるべき姿である「看護部理念」が、自分自身の価値観と一致しているかどうかを確認しましょう。