かつての医療過疎地に開院した助産院が東医療センターの前身。その東医療センターが2022年1月に移転し、足立医療センターとなりました。
足立医療センターの建つ東京都足立区は、夏には荒川河川敷で花火大会が開催される東京の下町です。
「親子3代にわたって当センターで出産した」といったエピソードをはじめ、患者さんたちは長年通院される方が多く、地域に根差しているのが特徴です。
患者さんたちと継続して関わり、信頼関係のもと看護を提供ができるのが大きな魅力。
病棟は混合病棟で、様々な診療科を学ぶことができ、ジェネラリストとして成長できます。
患者さんとのつながりを大切にし、地域の皆さんから『足立医療センターに行けば安心』と言ってもらえることが誇りです。
一方で救急医療のニーズも高く、救命救急センターでは都内屈指の三次救急搬送数に対応しています。
赤ちゃんからお年寄りまで、地域の方々に愛され親しまれている病院です。
【インターンシップ、対面見学会、オンライン見学会実施中】
日程等詳細については、採用サイトをご覧ください。
https://www.twmu.ac.jp/recruit-nurse/
直接病院の看護部にご連絡ください。
(受付時間平日9:00〜17:00)
足立医療センター:03-3857-0112 内線24701
足立医療センターは東京都「区東北部」と呼ばれる主に荒川区・足立区・葛飾区の医療を担っています。
この地域の特徴の一つが医療過疎地であること。
足立医療センターは、区東北部の唯一の三次救急です。
この地域の約130万人もの人々の命の砦として使命を果たしています。
全体の救急車の受け入れ件数は4,381件で、3次救急の搬送数は年間約1,800件に上り、都内26か所の救命救急センターにおいてトップクラスの件数となっています。
DMAT参集拠点病院でもあり、都内7か所のうちのひとつとなっています。
交通事故、墜落、大きな外傷、中毒、熱傷、心肺停止、など重篤な状況にある人たちを救うことは、使命が大きい分、医療者としての力もつきますし、やりがいもある任務です。
救命ICUでは、50人近い看護師が、医師、救急救命士、医療工学技士らと力を合わせています。
もちろん、1年目の看護師も共にチーム医療に加わっています。
早期離床と早期栄養で社会復帰を見据えた看護と同時に家族看護も行い、命の危機にある患者さんとその家族を支えています。
そして、危機的状況を脱した患者さんは一般病棟で引き受けていきます。
命をつなぎとめた方がさらに生活の場にかえることができるように支援していく、院内での連携をとっていますので、3次救急を担っている大学病院ならではの一般病棟での看護で、力をつけていくことができるもの、足立医療センターの特徴です。
最近、周辺ではマンション開発が進み、子育て世帯も多く住む荒川区・北区・足立区。この地域では年間約9,300名の赤ちゃんが誕生しています。
その背景を受け、2009年には母子医療センターをNICU9床・GCU18床に拡充しました。
現在地域周産期母子医療センターである足立医療センターは、総合周産期医療センターとなるよう計画しています。
今までと比べ、さらにハイリスクまで対応できる病院となります。
NICUの特徴は、まず一つ目が児の蘇生、ケアです。
病態生理に基づいて児の急性期のケアを、多職種と協働して看護を行うことです。
二つ目が家族ケアです。
ディベロップメンタルケアといって、赤ちゃんとご家族の「あたたかい心を育む」ケアを提供しています。
児の状態に合わせて、家族と一緒に関わっていきます。
三つ目が時の状態に合わせた看護。
NICUが目指しているのは、「後遺症なき生存」なので、神経行動学的発達を支援する看護介入として、ディベ ロップメンタルケアや痛みへのケアを行っています。
赤ちゃんの治療だけでなく成長発達を支援する、そしてその家族も成長していく、そこに寄り添い時間を共有していくことがNICUの看護の特徴です。
特に未熟児の呼吸管理に力を入れて新生児集中ケアを行っており、日本中から難治性呼吸器疾患の診断・治療を依頼され、全国から患児が集まってきます。
NICU入院中だけでなく、退院後の発育・発達のフォローアップ、在宅呼吸管理なども積極的に行っています。
本学の産科は助産師のみの配属であるのも、ハイリスクに対応するためです。
3施設の合同研修も行っており、地域性や普通分娩からハイリスクまで、それぞれの施設での学びを持ち寄って、スキルアップをはかると共に、助産師同士だからこそ分かり合える悩みなどを相談できる場となっています。
足立医療センターは、地域の急性期医療を担うため、ICU、救命ICU、NICU、GCU、SCUを擁しています。
2022年1月にはMFICUもでき、ICUはさらに拡充をはかってきました。
ICUでは、術後患者・重症患者に対応、
救命ICUでは、突然に発症や発生する事態に対応、
NICUでは、超低出生体重児・早期産児に対応、
GCUでは、NICUから小児科への移行期に対応、
SCUでは、迅速に脳卒中治療に対応しています。
足立医療センターは3次救急だけでなく、SCUという脳卒中に特化した集中治療室も持っていますが、地域における脳血管障害の領域での「急性期医療」の大きな役割も担っています。
脳血管障害は、早期の治療、早期のリハビリ、検査、再発予防と様々なケアが必要な疾患です。
患者さんの生活に及ぼす影響の大きさもその特徴で、やりがいのある看護であることは、間違いありません。
「急性期医療」の視点で次は脳血管疾患について考えると、脳卒中、これらの疾患も発症後の初期対応で予後が大きく変わってくる疾患であることはみなさんご存知と思います。
T−PAアルテプラーゼ治療とは「血栓溶解療法」という治療で、脳血管に詰まった血栓を溶かすことで、脳の血流の再開通を図る画期的な治療法です。ただし発症後3時間が勝負。それ以上時間が経過すると、閉塞した領域の脳が壊死してしまい、効果は望めなくなります。
荒川・足立区は高齢者が多いこともあり、脳卒中急性期医療機関は比較的多数あるのですが、この時間との戦いであるT−PA治療を行なっている医療機関が都心に比べて少ないのが特徴です。