解答:(4)高音域における聴力が低下する
老年期の身体的特徴・変化については、さまざまな角度から例年必ず出題されています。
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最高学年になると、就職活動、実習、学校行事、卒業論文など今まで以上に忙しい上に、最後の難関である国家試験が待っています。ご存知のとおり、国家試験に合格しなければ、看護師として働くこともできませんし、専門学校や大学に入ってからの数年間の努力がムダになってしまいます。限られた時間を効率よく使って国試対策をおこない、充実した1年を過ごしましょう。
必修問題が重要であることは、先ほどの説明でおわかりいただけたかと思います。
では、実際に出題された問題を見てみましょう。
老年期の身体的な特徴はどれか。
(1)総水分量が増加する
(2)胸腺の重量が増加する
(3)嗅覚の閾値が低下する
(4)高音域における聴力が低下する
解答:(4)高音域における聴力が低下する
老年期の身体的特徴・変化については、さまざまな角度から例年必ず出題されています。
必修問題は、過去問と同じ問題、または類似した問題が例年3〜4割出題されています。今回の第107回でも過去問からの出題が目立ち、半数程度が過去問からの出題だったようです。近年は、過去に一般問題として出題された問題がアレンジされ、必修問題で出題されている例も見受けられます。
一般病床の看護職員の配置基準は、入院患者【 】人に対して看護師及び准看護師1人と法令で定めれらている。
(1) 2 (2) 3 (3) 4 (4) 5
解答:
(2) 3
看護師の人員配置基準について定めた法律はどれか。
(1)医療法
(2)労働基準法
(3)保健師助産師看護師法
(4)看護師等の人材確保の促進に関する法律
解答:
(1)医療法
社会保障制度・統計に関する問題、特に医療保険・介護保険の基本的なことについては、例年必修問題で必ず出題されます。覚えてしまえば、必ず得点になる部分ですので、取りこぼしがないようにしっかりと知識として身につけておきましょう。なかでも、改正医療法などは見落としやすいポイントではないでしょうか。国家試験全体としても、社会保障制度関連の出題数は増えていますので、早めに取り組むことをオススメします。
この5年くらいで、徐々に徐々に出題傾向が変化してきています。まず、単純記憶で対応できる問題が減少しています。その反面、厚生労働省もすでに発表しているとおり、「思考力」や「判断力」を問う問題、優先度の高いものを選ぶ問題などが増えています。また、今回の第107回は出題基準が改定されてからの初の実施となりましたが、特に大きな混乱はなかったと言えます。
専門基礎科目においては、ここ2〜3年難しい問題も見受けられましたが、第107回では、ある程度落ち着いたのではないかと思われます。とはいっても、幅広い知識習得が求められていることに変わりはありません。臨地実習における担当疾患への深い理解や、カンファレンスに参加し、知らないことについては積極的に調べて学ぶことが重要であると、改めて感じます。各論の分野では、「看護過程」に沿った問題が増えています。データを読んでアセスメントする問題、患者さまやその家族への適切な対応を判断する問題などが挙げられます。自宅療養における看護上の問題や、患者さまやその家族に対する指導も、状況設定問題の多くで出題されています。
対象者をとりまく環境も、独居、核家族、高齢など現代日本の社会的課題を抱えています。こうした複雑な背景をもつ対象の状況や気持ちを汲み取って理解し、どんな看護やアドバイスが適切かを導き出す能力が求められているといえます。
看護師国家試験の大半を占める問題形式は4肢選択問題ですが、5肢選択問題も出題されています。出題数は、前々回の第105回では全65問(約27%)、前回の第106回では全60問(約25%)、今回の第107回では全51問(約21%)でした。出題割合はまだ流動的と言えますが、「20%以上」は定番化したと感じます。
なお、5肢択2問題には注意が必要です。なぜなら、選択した答えの2問とも正答しないと加点されないからです。そのため、「なんとなく覚えている」では攻略できない問題も出てきます。5肢問題は重要なポイントについて出題されますから、取りこぼしがないようにしていきましょう。
また、今回の第107回では、5肢問題と別冊視覚問題の組み合わせが4問もありました。別冊視覚問題は、写真や検査結果をみて設問に答える問題です。これまで多くても全4問だったところ、今回は全8問出題、その内の4問が5肢問題だったということで、受験した先輩たちからも驚きの声が聞かれました。