当院は地域に密着した急性期総合病院であり、「生から死まで希望を持つ」というキリスト教の教えに基づいた医療を展開しています。その中で特に、産科と緩和ケアに力を入れていることが大きな特色です。産科は単科で、年間の分娩件数は約1,000件と、近畿トップクラスを誇っています。良い妊娠・出産・育児を経験していただくために、院内に留まらず地域での教育・啓発活動も行っています。緩和ケアに関しては、地域包括医療の推進に伴い、ますます重要性が高まっている訪問看護師や地域の看護・介護職との連携強化に努めています。2015年11月には、シミュレーションセンター、メディカルフィットネスセンター、リハビリテーションセンターを備えた新館が開設、2017年には医療型重度心身障害児(者)センターが開設予定です。地域における医療と福祉の統合と多職種協働の推進に向けより一層の学習環境を整備し、地域医療の拠点となることを目指しております。
私たちの使命は、「患者さまとご家族にとって最良の医療」を提供することです。そのためにはチーム医療のキーパーソンとなる、エビデンスに基づいて行動できる“自律した看護師”が育つ環境が重要です。看護部の教育の特徴は、シミュレーションセンターによる実践的な研修が挙げられます。センターには、実際の病室を再現した模擬病室4室とステーションがあり、シナリオに沿ったシミュレーションを行うことで、さまざまな状況の中で適切な看護を実践する力を身につけることができます。センターは当院の職員だけでなく、地域の医療・介護スタッフや住民の方々への教育環境を提供し共に育つ地域に開かれた場として運用しています。 もうひとつのポイントは、「パートナーシップナーシングシステム(PNS)」です。当院では2013年にこのシステムを導入し、安全と安心の看護実践に大きな効果が生まれています。従来の先輩が新人を指導する教育体制では、単に技術や知識を教えることだけに留まっていました。また、業務に追われて指導に充分な時間をとれないという課題もありました。しかしPNSで二人の看護師が協働することによって、知識や個々の手技を実際の看護実践につなげることや、仕事の段取りも身に付くようになりました。 さらに、認定看護師や専門看護師の資格取得も積極的に支援しています。このように高い臨床実践力と地域医療に向けた判断力、調整力のある看護師を育て、組織や地域で活躍することが地域医療の充実に役立つと考えています。
病院や地域医療に貢献できる看護師になるためには、仕事に誇りとやりがいを感じ、向上心をもってキャリアを積んでいく必要があります。看護部では、安全・安心の環境、教育環境、勤務体制、業務の改善、福利厚生を柱とした総合的なワークライフバランスの充実に取り組んでいます。例えば、PNSによって新人の不安と負担を軽減したことによって、新人の離職率は0〜3%になりました。また、小さなお子さんをもつ職員のサポート体制も整えています。育休・時短制度・院内保育はもちろんのこと、小児科の専門医と看護師・保育士が治療・ケアにあたる病児預かりも実施しています。このような各々のプライベートな状況においても多様な働き方を導入し、安全・安心に働ける環境がワークライフバランスの充実にもつながるのです。 私たちの目標は、社会に貢献できる医療人であること。この志をもった方に、ぜひ当院で活躍してほしいと思います。