地域の患者さんの生活に寄り添い、思いやりある看護を実践する看護師を育成
副看護部長 有山 ちあきさん
当院は全国済生会の第1号病院として開設され、開院以来神奈川区の地域に密着した病院としての役割を担い、あらゆる人々に良質な医療を提供してきました。現在も急性期から終末期まで、幅広く地域のニーズに応えています。近年は予防医療にも取り組み、健康の維持・管理に貢献しています。予防医療センターでは、検診後に必要があれば地域のクリニックと連携を図るなど、切れ目のないサポートを行っています。
看護部では「いのちをまもり、くらしを支える思いやりある看護の創造」という看護部理念の実現に向け、看護職員としての知識・技術、姿勢を身につけ、専門性を高められる教育体制を整えています。職員としての基礎力ラダーと看護実践能力ラダーから構成される神奈川県病院看護職員ラダーを柱に、看護だけでなく社会人としての基礎力を身につけられるものとなっています。
新人教育は院内集合教育と各部署内の教育の2本柱で、部署では新人に対してプリセプター、サポーターを中心に病棟全体で支えていきます。配属後は所属部署を知り、自分の役割を理解するとともに、部署内でのつながりの大切さを学ぶことに力を入れています。入職後2カ月間は週1回、同期との交流の場を設け、情報共有を行うとともに同期との絆を深めています。また、3カ月ごとに実施するフォローアップ研修では、振り返りと今後の目標を支援する研修として位置づけています。
2年目以降は看護の専門性を高める研修があります。特徴的なものが急性期、地域包括、訪問看護など他部署を経験するローテーション研修で、他部署との連携、患者さんの対象理解を深めることを目的としています。例えば訪問看護研修では、疾患だけでなく患者さんの生活を考え寄り添うことで、退院支援に活かせるものとなっています。このように、さまざまな研修や現場での経験を通して、看護観を育んでいます。
今後ますます高齢者の医療需要が高まっていくと思われるなか、地域ケアにおける看護師の役割も重要となります。病院の機能は高度急性期医療などさまざまな領域がありますが、当院は高齢者救急と地域密着型の病院であることが特徴であり、最も大切にしていることです。地域の方々の暮らしを意識しながら、看護を実践し、楽しさややりがいを感じられることが当院の強みです。看護の仕事を選んでくださった皆さんと一緒に働けることを願っています。
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