一人ひとりにじっくりかかわり、癒しをもらえることが重症心身障害児者看護の魅力
安城 麗さん
2022年入職
2病棟(脳性麻痺、てんかん)
大学病院附属の看護学校の病院実習で、担当した患者さんが退院する喜びは感じましたが、1〜2週間という短い期間で築いてきた信頼関係が失われることに淋しさを感じていました。
もともと医療的な面だけでなく、生活面にも興味があったため、学校の先生の勧めで当センターに見学に来ました。それまで重症心身障害児者施設を知りませんでしたが、行事も活発に行われ、施設内の明るい飾りつけや生活感のある空間が印象的でした。ひとりの方の人生を知り寄り添うことに魅力を感じ、ここで働きたいと思いました。
当センターは一般病院と同様に、基本的な看護技術や知識を習得できる環境が整っています。年3回の集合研修はグループワークをはじめ重症心身障害児者のケアを学べるものとなっています。現場では、プリセプターからの指導を受けられるとともに病棟全体で、新人を見守ってくれる体制があり安心でした。2年目は自分の担当する方のケーススタディ、3年目はテーマを決めた研究発表など、キャリアに応じた専門性を高められる研修があります。
現在勤務する2病棟では、40代〜70代の幅広い年齢層で脳性麻痺やてんかんの疾患の方が入所されています。血圧測定、胃瘻・腸瘻管理、吸引などのケア、入浴介助、排泄ケアなどを行っています。特徴的なことは利用者さんと動物園やドライブに出かけたり、ゲームを行うなど、病院では経験できない生活中心の看護を行えることです。
3年目になり、夜勤のリーダーを任されるようになりました。全体を見て観察力を養い、正しいアセスメントを行っていくことが、これからの目標です。
看護を行ううえで心がけていることは、利用者さんにとってはこの場所が生活の一部であり、人生の一部であることを意識しています。言語的コミュニケーションが取れない方には名前を呼んで挨拶を行い、少しずつ信頼関係を築いています。小さなサインを見逃さず、五感を使った観察力の必要性を日々、実感しています。
現場では療育士(介護福祉士、保育士)や理学療法士などが専門性を発揮し連携を図り、常に利用者さんにとっての最善の形は何かを考え、その人らしく生活していけるようサポートしています。患者さんの笑顔が見られたときがやりがいを感じる瞬間です。看護の答えはひとつではありません。今後も個々の思いをくみ取りながら想像力を持ち、一人ひとりに合ったケアを提供していきたいと思います。
新卒で一般病院に入職しなくても、安心して働ける環境が当センターにはあります。
利用者さんとじっりかかわれること、癒しをもらいながら働けることが最大の魅力です。