中学時代バスケットボールをしていたのですが、度々大きな怪我をして看護師さんのお世話になっていました。その時に思ったのは「看護師さんといってもいろんな人がいるんだなぁ」ということ。例えばギブスを切る処置ひとつでも、怖がる私にきちんと説明してくれる看護師さんもいればそうではない方もいて、患者の立場から思うところがいろいろありました。自分の将来の職業を考えた際、不安に思っている人をサポートできる仕事に就きたいと思い、看護師の道を選びました。
就職活動時は様々な病院の就業体験に参加しました。その中で私が特に注意して見ていたのは、患者さんがその病院の看護師をどう思っているかという点です。患者さんと看護師の信頼関係をしっかり築くことができる環境で働きたいと思っていたので、もっとも看護師に対する患者さんの信頼が感じられた当院を志望しました。
現在は消化器内科に所属し、最先端の内視鏡医療に関わっているのですが、その過程で少しでも患者さんの不安を和らげるため、コミュニケーションをとるよう心がけています。
一般的に新人教育は、新人一人一人にプリセプター一人がついて、マンツーマンで教えるという教育体制の病院が多いと思うのですが、当院では、部署ごとに、経験が4年目以上のクリニカルコーチが、部署の新人の指導を1年間行います。そして一人一人に2年目くらいの先輩が、メンタルサポーター(お姉さんナース)として、ついて下さる制度になっています。一人の先輩ではなく様々な先輩に指導していただけるので、看護の視野が広がり、先輩と良い関係を築くきっかけにもなっています。
当院では、IVナースという輸液管理の認定制度を採用していて、まず、クリニカルコーチやインストラクターの先輩がついて、実際の物品とシミュレーターを使って練習した後に実技試験に臨みます。研修が終わればすぐ実践という病院もあると聞きますが、当院は丁寧に研修していただけるので、厳しい反面、自信を持って患者さんに実践することができました。
看護をする上で一番大事にしていることは「患者さんの思いをしっかり聞く」ということです。内科は体の中のことなので、表面には出にくいことも多々あります。患者さんが遠慮や我慢をして感じていることを言えなかったりする場合もあるので、普段からの関係づくりを大切にしています。経験を通して分かってきた「この先に患者さんが感じるであろう不安」を予測して、ケアできるよう努めています。また、退院後の生活で困らないためにはどうすればいいかを看護師間で話し合ったり、ご家族やケアマネージャーさんと相談したりしています。そういった一歩先を見据えたサポートが少しずつできるようになってきているように感じます。看護師だからこそ気づける視点があると思うので、それをもっと磨くことが今の目標です。