入職して半年が過ぎた頃に終末期の患者さんを受け持ちました。腹水がパンパンにたまり、歩くことがやっとでしたが、いつも笑顔で「がんばらないと」と言って過ごしていらっしゃいました。私が毎朝あいさつに行くと「今日もがんばってね！」と必ず笑顔で言ってくれました。実はその頃の私は毎日が不安で前向きになれない日々が続いていましたが、患者さんの「がんばってね」という一言にとても勇気づけられていました。本当は私の方が患者さんの力になれるような発言や行動をしなくてはいけなかったのに・・・。
　今でもその一言、その時の表情を思い出し、一人ひとりの患者さんに自分が何を看護として行うことができるかを考えて行動しています。患者さんの何気ない一言がこんなにも自分の心に残るとは思いませんでした。