A・S
手術室
オーケストラのコンサートに出かけたり、好きな本を読んだりして過ごしています。仕事は忙しくて悩むこともありますが、なんでも話せる友人や家族がいてくれるお蔭で、一人で悩むことが無く、前向きに過ごせていると思います。
手術室に配属されて半年が過ぎた頃のエピソードです。手術を控えたある患者さんの病室を訪問すると、よく読書をされていました。私は毎回「質問や不安に感じている事はありませんか?」と声を掛けていましたが、いつも「大丈夫」とおっしゃっていました。
ある日、再訪したときの患者さんを観察した私は、手術を受けるのが初めてだと気が付きました。「手術は不安ですよね」と声を掛けると、患者さんは「手術自体が初めてで、不安です」と声を震わせながらお話をしてくれました。今回の出来事で、ぱっと見た感じでは落ち着いた様子の患者さんでも、実は不安に感じていることがよく分かりました。情報だけでなく、患者様の様子や表情などを観察することがとても大切だと、改めて認識しました。
患者さんの心を少しでも軽くして笑顔になれるよう、今後もがんばっていこうと思います。